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社長コラム「ジャン=ミシェル・バスキア 王冠に込めた思い」

こんにちは。キュリオ代表の渡木(とねぎ)です。

さて今回は、バスキアの作品にたびたび登場する「王冠」のお話し。

 

King Pleasue公式サイトより

 

この王冠の意味について、最近、現在バスキア・エステートの管理者の一人であるバスキアの妹リザンヌ・バスキアが、インスタグラムの動画で次のように語っています。

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Jean-Michel Basquiat: King Pleasure Instagramより

 

Do you know why Basquiat always painted crowns?

(バスキアがなぜいつも王冠を描いたのかご存じですか?)

So if you look at his work, you will see woven through the topics that he was thinking about. Jean-Michel spoke about how there were moments where Black people were always perceived with negative characteristics, and he wanted to make sure that base upon his own experiences that Black people can have, you know, really normal positive images And so that’s why it was really important for him to point out his black heroes and to give them crowns because they weren’t, in his eyes, they weren’t given that and he wanted to make sure that he was emphasizing that.

(彼の作品を見ると、そこには彼が考えていたテーマが織り込まれていることがわかります。 ジャン=ミッシェルは、黒人はいつでもネガティブな特徴で捉えられていると思わせる瞬間が、如何に多かったかを話していました。彼は、彼自身の経験に基づいて、黒人は本当に普通の、ポジティブなイメージを持つことができるのだ、ということをしっかり認識してもらいたいと考えていたのです。だからこそ、彼にとって黒人ヒーローを示し、彼らに王冠を与えることが本当に重要だったのです。というのも、彼ら黒人ヒーローは、彼の目に写った彼らには、それ王冠が与えられていなかかったので。彼は自分がそのことを重要視しているのだということをはっきりしたかったのです。)

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私は仕事柄なのかどうかはわかりませんが、物事を懐疑的に見てしまう傾向があるので(アートディーラーは、真贋に敏感でないと!)この妹さんの話も本当か?と疑ってかかりたくなります。

 

というのも、バスキアは27歳で夭折したアーティスト。(今思えばその当時、彼が亡くなったことを報じるメディアも少なく、それほど話題になっていませんでしたね…。バスキアが制作活動をしたのは17歳から亡くなる27歳まで。その10年あまりの期間で、数千点の作品を残したと言われています。)

 

はて、バスキアの4歳年下である妹さんがその頃、本当にバスキア本人が描いていた「王冠」の意味や意図を理解していたのだろうか?ちょっと、こじつけではないか? 正直なところ、そんな考えも過ります。

 

しかし、バスキアの作品を見ると、本当に多くの作品に「王冠」が描かれ、印象に残るモチーフのひとつであることは、間違いありません。あの王冠=バスキアの作品、という印象ですから、どれほどのインパクトがあったのか。亡くなって35年、その評価は年々上がってます。妹さんが公に発信してくれた、バスキア本人の「王冠」に対する思いは、少しずつ伝わっているのでしょう。

 

 

なお現在、昨年アメリカ、ニューヨークで開かれたバスキアの回顧展が現在ロスアンゼルスで開催中です(2023年10月15日まで)。

「King Pleasure」

この大規模な展覧会は、美術館のような文化施設の主催ではなく、バスキアの遺族、2人の妹リザンヌ・バスキアとジャニーヌ ヘリボーが企画とキュレーションを手がけたもの。バスキアの出生届、幼少期に描いた絵など、遺品を多数公開する家族ならではの視点でバスキアの魅力を伝える展覧会となっているようです。

King Pleasue公式サイトより

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